【世界で一番詳しいウナギの話】長いウナギ研究の歴史がこの1冊に凝縮されている

アクアリウムとアクアカルチャー

こんにちは、エッゲルです


地球上に存在するウナギの仲間はこれまで知られている限りで19種類

日本にいるのは、そのうちの4種

特に古くから日本人と関わりの深いのは、ニホンウナギです

にもかかわらず、その生態はずっと謎に包まれたままでした

そんなニホンウナギの科学が大きく進歩することに貢献したのが、この本の著者である塚本勝巳氏です

私はニホンウナギが大好きです。大学生の頃からニホンウナギを自宅で飼育していました

大学の研究室の教授がニホンウナギの細胞培養の研究をしていたので、その手伝いをする方が、自分の研究課題をするより、楽しいこともありました(笑)

麻酔かけたり、解剖を手伝ったり、身の部分はいらないので頂戴して自宅で焼いて食べたりしました

卒業研究は魚類の腸管粘膜の免疫担当細胞の分布を調べていたのですが、ニホンウナギの腸管を調べている時がなぜか一番楽しかった

私はとってもしあわせだと思うことがひとつあります

それは、私の人生とニホンウナギの飛躍的な科学的進歩のタイミングがマッチしていることです

いまこの瞬間も完全養殖→シラスウナギの大量生産→完全養殖ニホンウナギの大量生産にむかって日々進歩が続いています

なんでニホンウナギが数千キロもの長い旅をするのかがわかる

遺伝子解析の結果から、ニホンウナギのご先祖は深海魚だそうです

なんでそんな魚がわざわざ淡水の川まで遡ってくるのか?

塚本氏のわかりやすい仮説が読めます

産卵場が特定できた方法を知ることができる

どうやってあの広い海から産卵場を特定できたのか?何度も挑んだ海洋調査によって、発見に一歩一歩近づいていく展開がとても面白く読めます

産卵場がどこだったのかがわかる

様々な予測と調査によってついにニホンウナギの産卵場は特定されます

それまでには数々の予定変更や経験則による判断と博打的な決断の場面があって、当時の大変な苦労とプレッシャーを察することができました

ニホンウナギの資源管理の現状と抱えている問題がわかる

後半は、ニホンウナギの天然資源の現状はどうなっていると考えられるかについて説明があります

現在の天然資源管理のルールの問題

人間の活動がニホンウナギの生活環境に与えるダメージの問題

完全養殖に成功できているニホンウナギの抱える課題

こうしたところも読みどころ満載です

私も見ていたニホンウナギの卵

本に登場する2011年に採取されたニホンウナギの卵は、その年の7月に東京大学総合研究博物館で開かれたウナギの展示「鰻博覧会」で一般公開されました

そして、私は2011年に鰻博覧会をひとりで訪れて、ニホンウナギの卵のホルマリン標本をみていました

10年以上前の出来事がこのようなかたちで思い出されるとは、感慨深いです

もし、川で天然のニホンウナギをみかけたら、それはいまの時代にどれだけ貴重な体験なのか、この本を読めばその価値を知ることができますよ

それでは、

ポジティブ言葉へ変換トレーニング

♪うれしい、楽しい、よかった、ありがとう、しあわせだ~

よし、いいぞ!大丈夫だ!今日もいくぞ!

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